一般的に言われる事故車と中古車販売業界で言われる修復歴車は異なります。例えば軽くバンパーをぶつけた場合でも、事故を起こした車=事故車と表現されることが有りますが、中古車業界で修復歴車と言う場合、さらに厳密に定義されています。
「
社団法人自動車公正取引協議会」の中古車規約によると
「修復歴車とは交通事故をおこした結果、あるいは災害によって車体の骨格に当たる部位を損傷し、[修正]あるいは部品の[交換]により修復したもの」
となっています。これは「
財団法人日本自動車査定協会(JAAI)」の検査基準、「
日本中古自動車販売協会連合会」のオークション検査基準と同じです。
主なポイントは以下の9箇所の修復が有るか否か(キャブ車の場合は8箇所)です。
つまり、この箇所に修復・交換がなされていない場合は修復歴車とはならないのです。
なお、修復歴車を販売する際には「修復歴あり」と明示することが義務づけられています。
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- 1.フレーム(サイドメンバー)
- 2.クロスメンバー
- 3.インサイドパネル
- 4.ピラー(フロント、センター、リア)
- 5.ダッシュパネル
- 6.ルーフパネル
- 7.フロアパネル
- 8.トランクフロアパネル
- 9.ラジエターコアサポート(交換)
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※ボンネットタイプの場合は上記9箇所、キャブタイプは「9.ラジエターコアサポート(交換)」をのぞいた8箇所のいずれかが対象。 |
参考)社団法人自動車公正取引協議会資料 |

ただし、これらが修復されていることが、その車両の欠点として単純に見る必要は有りません。
お店によってはこれらの部品を新品に交換する等、修復歴が有っても走行に支障が無いようにしっかりと整備されているものもの有ります。
また、修復歴の定義も各中古車オークション会場によって審査基準に差が有る場合があります。
軽度でも厳密な審査基準の場合は修復歴とされてしまう場合もあります。
何よりも重要なのは
「過去にどのような修復歴が有って、現状はどの程度の安全に乗ることが出来るようになっているか」
を知っておくことです。これにより希望の車をより安く手に入れることが出来る可能性も出てきます。
無事故の車でメンテナンスがされていない車より、修復歴が有ってもメンテナンスがキッチリされている方が安全ということも有るものです。
補足)「エンジンルームが綺麗だと修復されている可能性が有る」と言われることが有ります。
これは「エンジン部分に修復歴が有る場合、一部が綺麗だと目立つためエンジンルーム全体を綺麗にして誤魔化すことが有る」というところから来ているのですが、店舗によっては好意的に綺麗な状態にしてくれている場合があります。
素人目にはなかなか修復歴を見分けるのは難しいことです。不明点はどんどん質問して、疑問の無い状態にしておくと良いでしょう。